図書館を利用する
研究の手始めは乱読
いきなり「研究」はできない。まずは研究する価値のあることを見つけなければならない。卒業研究をしよう、自分が関心があるのはこれだ…と思っても、それがそのまま研究する価値があるものとは限らないからだ。自宅の庭先を掘って石油が出るとは限らないのと同じことである。ここまでに作っておいた参考文献リストを片っ端から読むことから始めよう。ナナメ読みで構わない。いや、目次にどんなことが書いてあるかの確認でも十分である。とにかく、その分野全体のことをぼんやりと掴み、どんなことに問題意識がおかれているのかを把握するということが一番最初の取っ掛かりになるということだ。
買う前にまずは図書館
研究のために、好きな本を好きなだけ買うことを否定するものではないが、本については図書館で内容をまずは確認すべきである。お金は大事に使うべきだからだ。入門書・概説書であれば、地域の図書館、大学の図書館にある程度は揃っているはずだ。
もし、大学の図書館にこれまで行っていなかったのであれば、この機会に行ってみよう。参考文献リストに加えた本が、どこの本棚にあるか探すと、その近くに興味をそそられる本が、また、あるかもしれない。その場合は、どんどん参考文献リストを増やしていくようにしよう。
地域の図書館は、もしかしたら、受験勉強や時間つぶしでしか使ってこなかったかもしれない。そうであれば、この機会に登録し「貸出券」を作ってもらいたい。大概の図書館は、在住在勤者を対象に資料の貸し出しを行っている。つまり住んでいる場所、働いて(学んで)いる場所のそばの図書館の資料は、借りることができるということである。身分証明書となる学生証があれば、ものの10分あまりで貸出券は作成できる。
図書館の蔵書をオンラインで調べる。
地域の図書館、大学の図書館は、蔵書検索のシステムをネットで提供している。このオンラインの蔵書目録をOPAC [オパック: Online Public Access Catalog] という。
使い方は簡単だ。自宅の最寄り、もしくは、通学途中の地域の図書館のサイトにアクセスすれば、目立つところに「資料を探す」という検索窓があるはずである。
大学図書館にも蔵書検索システムがある。併せて確認したい。
複数の図書館を一気に調べる
大学の側の図書館、乗換駅の側の図書館、地元の図書館など、行動範囲の中に複数の図書館がある場合、個別にひとつひとつ入力して調べていくのは手間だと感じられるかもしれない。その場合は、カーリルというWebサービスを利用するのがお勧めだ。市町村、大学などをあわせて10件までの図書館で、蔵書があるか、借りることが可能かを一気に検索することができる。
参考文献リストの本が図書館にあるか確認し、もし、所蔵されているようだったら、予約をしよう。
人気がある本の場合、何十人待ちにもなっている場合がある。余裕をもって、検索、予約をするようにしたい。卒業研究は端緒についたばかりである。
本日のToDo
□大学の図書館に行ってみる
□参考文献リストの本を増やす
□地域の図書館に行き、必要に応じて貸出券を作る
□OPACを使って蔵書を調べる
□カーリルを使ってみる
□参考文献リストの入門書・概説書を予約・借りる
□ざっくりと入門書・概説書を読んでみる