卒業論文のテーマを探す
テーマ設定とは何か
卒業論文において「テーマ」という語句は、「題材」「問い」「タイトル」など、いくつかの意味で幅広く用いられている。
もっとも狭いものを指す場合、卒業論文のテーマとは「タイトル」のこととなる。タイトルとして、自分のテーマを固定し、見合った内容のものを書きあげるのが卒業論文の最終的な完成形である。しかし、実情として、タイトルは曖昧なまま「仮題」として書き始め、書き終わった内容に合わせて最後に適切なタイトルを付けるということも行われている。タイトルは決定的ではあるが、狭義であるからと言って卒業論文の核心ではなく、最優先で検討されるべきものでもないのである。
もっとも広いものを指す場合は、卒業論文のテーマとは「題材」、別の言い方をすれば「分野」「ジャンル」「方向性」のこととなる。この題材としてのテーマ設定が最優先となる。ここが確定しなければ、卒業論文の核心である「問い」を適切に持つことができないからである。
したがって、卒業論文におけるテーマ設定とは、分野や方向性を定め、題材を選び出し、研究や調査をした上でその中に疑問や問題を見い出し、自らその問題を解決しようとすることと定義することができる。
テーマ設定で重要なこととは
卒業論文のテーマ設定で重要なことは「学術的」であるということだ。
卒業論文は、深く研究・調査して書くという点が、エッセイや感想文とは違う。エッセイや感想文は思ったままを書けば良い。そこでは学術性は問われない。
また、卒業論文は、自分で問題を設定して、その問題を解決するという点が、通常のレポートとは違う。通常のレポートは、先生が問題を出してくれる。学生は答えるだけだ。
問題を設定することを「問いを立てる」という言い方をすることもある。問いを立てるのは難しい。特に、学術的に意味のある問いを立てるのはなかなか至難の業である。
なぜなら、その問いが自明のことでは学術的に意味がないわけであるから、「ここまではすでにわかっていて、その先がわからない」という、ギリギリのところを知っていなければ、学術的に意味のある問いは立てられないからだ。先生が出すレポートが問題として成立しているのは「学生はここまで知識として持っているべきだ」「この講義の単位を出すためにはこのレベルまで理解していなければならない」という、勘所がわかっているからである。
したがって、卒業論文のテーマ設定においては、自分が学術的に意味がある問いを立てられるほど深く研究・調査しても苦にならないものを題材とすることが重要となる。
ゼミで協力しあってテーマを見つける
テーマを見つけるために、自分がこれまで大学で勉強してきたことを思い起こしてみよう。授業の中で現在学術的に意味があることについて教わっていなかっただろうか。あるいは、現時点で自分が関心を持っていて、この先、たくさんの本を読んでも苦にならない題材について考えよう。最近、ニュースでとりあげられていることや、社会問題について考えてみても良いだろう。
一人では簡単に行き詰まってしまうかもしれない。そんなときは、ゼミのみんなで協力しあってマインドマップ形式で思い起こしていこう。
順番にホワイトボードにキーワードを書いていく。そしたら、実現可能性などは斟酌せず、キーワードを他の人が書いたキーワードから枝分かれさせて書いていく。交代しながら、ホワイトボードでキーワードで一杯にしよう。
色々なことが思い起こされ、卒業研究のテーマについてのインスピレーションを得ることができるだろう。
自分用のテーマを検討する
ゼミのみんなから刺激を受けて、頭が柔らかくなり、色々なことが思い起こせるようになったら、自分用のテーマを検討しよう。
紙に書いてもいいのだが、サイズの制限をうけずに細かくたくさん検討したり、書いた者を無くさずにいつでもどこでも追加削除するためには、デジタルの方が都合が良いだろう。
たとえば、mindmeisterは、Web版以外に、iOS版、Android版もあり、3枚までのマインドマップであれば無料で作成・共有できるのでこうした目的に叶うだろう。
どんどん連想を広げて、キーワードを追記していこう。
ある程度キーワードが出たら、見直そう。抽象的なキーワードの下位レベルとして位置づけられないか、あるいは逆に、具体的なキーワードを更に追加できないか、デジタルで作成している良さを活かしながら、整理統合・発散分割していく。深掘りしたいテーマが見つかったら、必要に応じて、新しいマインドマップを作り直すのも良いだろう。
「これが自分が深く研究・調査したいテーマだ」と確信が持てるようになるまで、繰り返そう。
今日のToDo
□ゼミのみんなで協力してキーワードを列挙してみる
□デジタルツールを使ってマインドマップを作る
□深く研究・調査したいテーマを確信が持てるまで探す