裏・鷲谷ゼミ

某大学メディア学科。昔は「飲みゼミ」として与太を飛ばしていたが、最近のゼミ生は飲みに付き合ってくれないので、オンラインで管を巻くことにした。

卒業論文の要件を確認する(2)

提出〆切日を確認し、大まかなスケジュールを決めよう

卒業論文の提出〆切日を確認しよう。もしかしたら、提出期間として、1〜2週間ぐらいの幅を持たせているかもしれない。日数が限られていると、受付窓口が混雑のため混乱する懸念があるし、病気や交通事情などで突発的に提出できない人が出る可能性もある…と受付側が気を回すからである。

実際、プリンタが壊れるかもしれない、用紙が切れるかもしれない、ファイルが忽然と消えるかもしれない、大きな間違いが見つかるかもしれない…すぐにリカバリーできないアクシデントが起こる可能性は決してゼロではないのである。

〆切日に完成させるような計画を立ててはいけない

 〆切日に完成させるのではなく、その前に余裕をもって完成させることが必須なのはわかる。では、どのぐらい前までに完成させなければならないのだろうか。それは、教員が指導しているゼミ生の人数によるが、およそ4週間〜1か月前である。

なぜなら、卒業論文というのは、指導教員のチェックを経て提出するものだからだ。普通のレポートは、提出したものを教員がチェックして採点・評価するが、卒業論文は教員がチェックして一定水準をクリアしていると評価されなければ提出ができないものだ。

学生が「完成している」と思っていても、指導教員の観点からは「完成にはほど遠い」と判断されることは、よくあることだ。自信を持って提出したレポートの点数が散々だったという経験を持つ人であれば、実感としてわかるだろう。

1万字以上の文章を読んで、その中身を斟酌し、形式の間違いを正すには、どんな教員でも2時間は掛かるだろう。教員に限らず仕事をしている社会人にとって、1日に集中して作業できる時間は、限られている。1日にきちんと指導できるのは1〜2人程度で、しかも1週間のうちに指導に充てられるのは2〜3日程度、となると、1週間で6人程度の文章を校閲するのが瀬一杯となる計算だ。もし、10数名のゼミ生がいて、それぞれが、自分では完成したと思っている文章を持ち込んで、2回程度、修正のやりとりをするとすれば、4週間程度前には、「ドラフト(草稿)」として、文章全体を完成させなければならない。

余裕を持った計画を立てよう

一般論としては、10数名程度のゼミ生がいるなら、4週間程度前にドラフトを完成させるべきだが、貴君の場合は、そこにさらに1〜2週間程度余裕を持たせるべきだ。

なぜなら、個別の事情をつぶさにみれば、そんな机上の計算通りにはいかないからだ。

もし、ほかのゼミ生を見渡して、いつも〆切に遅れてばかりいるような「グズなゼミ生」や、教員の指導していることをパッと理解できない「とろいゼミ生」がいるようであれば要注意だ。指導教員は最後の2週間はそのゼミ生の指導に掛かりきりになり、貴君を顧みてくれないだろう。賢明な貴君は、さらに1〜2週間の余裕をもってドラフトを完成させるべきである。

あるいは、自分の胸に手を当てて、自分がいつも〆切に遅れてばかりいるという自覚、これまでそんなに勉強していなかったという自覚があるなら、2回の指導では、一定水準に達しない可能性がある。3回、4回という指導が必要になるはずだ。そのための余裕をもって、ドラフトを完成させるべきである。

はたまた、指導教員のキャラクターと行動を観察してみよう。調子の良いことばかり言って、色んな仕事をあちこちから引き受けてパンクしているいい加減な教員(私のことである)なら、きちんと指導してくれない、あるいは、こっちが提出してもフィードバックがもらえるまでに時間が掛かるだろう。そのための余裕を持って、ドラフトを完成させた方が安全なのだ。

節目の日を確認しよう

提出〆切日、提出受付開始日(提出期間)、ドラフト完成目標日、といった節目の日を確認したら、そのほかの「節目の日」を決めよう。この節目の日のことをプロジェクトマネジメントの世界では「マイルストーン」という。わかりやすく言い換えれば「一里塚」である。

大学の決めたさまざまな〆切や行事、ゼミが決めた〆切や行事、自分で決める〆切や目標の日にちを明確にするのである。

たとえば、研究テーマ変更〆切日、中間発表日、ゼミ合宿(進捗状況を発表する)、研究計画発表日、研究テーマ登録〆切(登録期間)などがあるだろう。

その際は、同じく、余裕をもった計画を立てるように心がけよう。

 

今日のToDo

□提出〆切日・提出期間を確認する

□他のゼミ生や指導教員を観察して、ドラフト完成目標日を決める

□中間発表や、研究テーマ登録日などのマイルストーンを確認しよう