卒業研究に向けて
作業を細かく分割する
大学卒業資格、いわゆる「学士」を取るのに、最後に控えているのが卒業研究である。制作物をもって代替したりする場合もあるが、ここでは、卒業論文に限定して述べる。卒業論文の書き方は、方法論として、一定のパターンが確立しているからである。そして、その手順を細かく分け、順序よく対応すれば、難しいことではない。「○万字書くこと」「〆切厳守。1秒でも遅れたら留年」などと、聞いてしまうと、さも恐ろしく、大変なことであるかのようなイメージを抱いてしまうが、作業内容を細かく分割して見れば、何も難しくない、むしろ簡単なことであるように思えてくるはずだ。
専門分野や指導教員によって、卒業論文の執筆手順は、まちまちだろう。私の場合は、以下のような手順に分けて進めることを提唱する。一週間に1~2時間作業することを想定した
週次での作業計画
- 要件把握(文字数、〆切などの確認)
- テーマ検討(何について書くか)
- テーマの絞り込み(既存の研究の一環となるテーマを選ぶ)
- 文献リストを作る(概説書・入門書を読む)
- 図書館を利用する(OPACを使う)
- 問いを立てる(関心を絞り込む)
- 先行研究の調査(論文・専門書を探す)
- 仮説設定(主張〔Claim〕を決める)
- 論拠設定(論拠〔Warrant〕を決める)
- 実証可能性の検討(立証材〔Evidence〕のアタリを付ける)
- 研究計画書の作成(タイトルを決め、ペラ紙一枚にまとめる)
- プレゼンテーション(内容を批判的に検証してもらう)
- アウトラインの検討(全体で、何が・どんなだ・その理由となるように構成を考える)
- MS Wordの操作に熟達する
- オプション設定
- スタイル書式
- アウトライン表示
- 箇条書き・段落番号
- 脚注
- セクション区切り
- 目次
- 調査統計(最低限必要な統計リテラシーをマスターする)
- パラグラフライティング(構造的に節を書く)
- サインポスト
- トピックセンテンス
- サポートィングセンテンス
- コンクルーディングセンテンス
- 引用方法(適切な形式で引用する)
- 短い引用
- 長い引用
- 間接引用
- 図表
- 図
- 表
- 執筆作業(スケジュール通りに書く)
- 校正作業(校正必携を参考にする)
- 提出準備(チェックリストに基づいて漏れや抜けがないようにする)
- 口頭諮問準備(論文を読んだ教員からの質問に答えられるようにする)
これから
実際のゼミの進捗に併せて、少しずつ、各項目を詳しく書いていこうと思う。
場合によっては、項目の追加削除や、順序の入れ替えもあるかもしれない。
ともあれ、一人でも多くのゼミ生が、スムーズに卒業研究を終えることを願っている。
ToDo
□卒業研究に対して、腹を括って、前向きな気持ちになる
□先送りにしないで、少しずつ作業する