裏・鷲谷ゼミ

某大学メディア学科。昔は「飲みゼミ」として与太を飛ばしていたが、最近のゼミ生は飲みに付き合ってくれないので、オンラインで管を巻くことにした。

卒業研究に向けて

作業を細かく分割する

大学卒業資格、いわゆる「学士」を取るのに、最後に控えているのが卒業研究である。制作物をもって代替したりする場合もあるが、ここでは、卒業論文に限定して述べる。卒業論文の書き方は、方法論として、一定のパターンが確立しているからである。そして、その手順を細かく分け、順序よく対応すれば、難しいことではない。「○万字書くこと」「〆切厳守。1秒でも遅れたら留年」などと、聞いてしまうと、さも恐ろしく、大変なことであるかのようなイメージを抱いてしまうが、作業内容を細かく分割して見れば、何も難しくない、むしろ簡単なことであるように思えてくるはずだ。

専門分野や指導教員によって、卒業論文の執筆手順は、まちまちだろう。私の場合は、以下のような手順に分けて進めることを提唱する。一週間に1~2時間作業することを想定した

週次での作業計画

    1. 要件把握(文字数、〆切などの確認)
    2. テーマ検討(何について書くか)
    3. テーマの絞り込み(既存の研究の一環となるテーマを選ぶ)
    4. 文献リストを作る(概説書・入門書を読む)
    5. 図書館を利用する(OPACを使う)
    6. 問いを立てる(関心を絞り込む)
    7. 先行研究の調査(論文・専門書を探す)
    8. 仮説設定(主張〔Claim〕を決める)
    9. 論拠設定(論拠〔Warrant〕を決める)
    10. 実証可能性の検討(立証材〔Evidence〕のアタリを付ける)
    11. 研究計画書の作成(タイトルを決め、ペラ紙一枚にまとめる)
    12. プレゼンテーション(内容を批判的に検証してもらう)
    13. アウトラインの検討(全体で、何が・どんなだ・その理由となるように構成を考える)
    14. MS Wordの操作に熟達する
      • オプション設定
      • スタイル書式
      • アウトライン表示
      • 箇条書き・段落番号
      • 脚注
      • セクション区切り
      • 目次
    15. 調査統計(最低限必要な統計リテラシーをマスターする)
      • 定量調査・定性調査
      • アンケート
      • Googleフォーム
      • エクセル関数
      • クロス集計
    16. パラグラフライティング(構造的に節を書く)
      • サインポスト
      • トピックセンテンス
      • サポートィングセンテンス
      • コンクルーディングセンテンス
    17. 引用方法(適切な形式で引用する)
      • 短い引用
      • 長い引用
      • 間接引用
    18. 図表
    19. 執筆作業(スケジュール通りに書く)
    20. 校正作業(校正必携を参考にする)
    21. 提出準備(チェックリストに基づいて漏れや抜けがないようにする)
    22. 口頭諮問準備(論文を読んだ教員からの質問に答えられるようにする)

これから

実際のゼミの進捗に併せて、少しずつ、各項目を詳しく書いていこうと思う。

場合によっては、項目の追加削除や、順序の入れ替えもあるかもしれない。

ともあれ、一人でも多くのゼミ生が、スムーズに卒業研究を終えることを願っている。

ToDo

□卒業研究に対して、腹を括って、前向きな気持ちになる

□先送りにしないで、少しずつ作業する