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裏・鷲谷ゼミ

白目大学 会社学部 表現メディア学科

メールを本当に使う

メール、本当に、使えてますか?

人に「メールを使えますか?」と聞けば、多くの人は「使えます」と答えるだろう。一昔前とは違い、よほどの年配者か、よほどの子供でなければ、最も身近で、普及しているコミュニケーション手段はメールである。ケータイの契約をしたり、大学に入学すれば、メールアドレスがもらえるし、HotmailGmailのフリーのメールアドレスも簡単に作れる。

しかし私は「本当に使えてますか?」と、重ねて、聞きたい。

 

メールは、コミュニケーションツール

今更ながら、メールは、コミュニケーションツールである。相手が存在して、初めて「使う」ことができるツールである。コミュニケーションの相手が、自分と似たような立場の人ばかりでは、メール本来の能力を引き出して使っていない。学生のみんなが、学生同士で使っているようなメールの使い方は、残念ながらオッサンである私には通用しないものであることが多い。

 

メッセンジャー的な使い方をしない

学生のみんなにありがちなメールの使い方は、LINEやFacebookなど、メッセンジャーのように使うものである。つまり

  • タイトルに無頓着。無題だったり、内容と無関係だったり。
  • 会話の延長のような内容。宛名もなく、名乗りもない。いきなり本文だけ。挨拶も、署名もない。
  • 即応性。すぐ読むことを前提にしている。

…などである。

メールは、メッセンジャーではない。チャットでもない。それらのマナーや作法をメールに持ち込まないことが肝要である。

 

ビジネスマンのメールの使い方は参考にならない

社会人であれば、「本当に」メールを使っているかと言えば、そういうわけでもない。社会人でも、コミュニケーションの相手が、自分と似たような立場の人ばかりで、メール本来の能力を引き出して使っていない人は多い。むしろ、そういう人の方が大多数かもしれない。多くの社会人は、メールの使い方を習ったり、勉強したりしたことはないからだ。ガラケー時代のケータイメールのお作法を引きずっていたり、それぞれのビジネスカルチャーを延長してメールのお作法に持ち込んだりしている人が非常に多い。たとえば

  • タイトルに自分の名前を入れる。ケータイメールでは差し出し人が表示されず、誰からのメールか開けてみるまでわからず、タイトルが唯一の手がかりだったものである。
  • 全文引用をする。必要なところだけを引用する意識がない。ケータイメールでは、長い範囲を指定して削除することは難しかった。
  • 宛名に会社名・敬称を入れて登録する。ケータイの住所録では、氏名・フリガナ程度の入力欄しかなかった。宛名に会社名を入れておくことで、ソートに便利だった。また、カルチャーとして、取引先の方の敬称を省略することに抵抗感があった。

…などである。

 

クラシックなメールの使い方を習得すべし

色々な立場の人を相手に通用するメールの使い方とは、結局、メールやネットがシステムとして貧弱だった時代に、プログラマに近い立場の人たちの間で、確立した使い方である。その時代は、なるべくシステムに負担を掛けないように、また、相手に無駄な労力を掛けさせないようにという配慮から作法が確立している。学生のみんなが、学び、身につけるべきは、そうしたクラシックなメールの使い方である。

  • 内容を適切に表したタイトルをつける。話題が変わった場合には、タイトルを変更して、別スレッドになるようにする。
  • 一通のメールには、ひとつの要件のみ書くようにする。要件が違うものは、別のメールにする。後で所定のメールを探しやすくするためである。
  • 返信時、相手が書いた文章は、言及の対象だけを残す。全文引用はしない。相手が書いた文章は、それとわかるように行頭記号「> 」で区別する。何について自分が意見を述べているのか、わかりやすくするためである。
  • メールソフトに登録する差出人(自分の名前)は半角英数のアルファベット表記にする。海外での受信者への配慮である。
  • シグニチャ(署名)を付ける。
  • 相手の会社名・敬称は宛名と一体化しない。メールソフトのアドレス帳機能の所定の欄に記入するようにする。

 

メールを本当に使う

今は、メールやネットがシステムとしてパワフルになった。クラシックなメールの使い方ができない人が送ったメールでも障害の原因になるようなことはない。使う人が無知でも、無頓着でも、大丈夫なようにさまざまな工夫がされている。Gmailなどでは、全文引用した文章は自動的に隠すし、タイトルが内容と合致しておらず、またスレッドが錯綜していたとしても、検索すればすぐに目的のメールを探し出すことができる。「フールプルーフ」つまり「まぬけよけ」で設計されているわけである。

とはいえ、私は、みんなに「まぬけ」になってもらいたくない。色々な立場の人を相手に通用するメールの使い方を会得し、メールを本当に使いこなしてもらいたい。